2017年1月28・29日 ワークショップ3・国際研究集会を開催


第3回のワークショップ3は、海外の最新の状況も視野に入れるため国際研究集会を計画しました。当日の共同研究の課題は「総合資料学と展示・教育活動モデルの構築」です。台湾と韓国からお二人の研究者をお招きして1月28、29日の両日の日程で開催しました。

2日間の日程は以下の通りです。
●2017年1月28日(土)13:00~17:00
【場所】国立歴史民俗博物館 第一会議室
【内容】
13:00~13:15 報告1:「研究会の趣旨と総合資料学の問題点」
西谷 大(国立歴史民俗博物館)
13:15~13:45 報告2:「総合資料学とシステム構築」
後藤 真(国立歴史民俗博物館)
13:45~14:45 報告3:「博物館資源與數位人文學―以「臺史博」為例」
謝 仕淵 (國立臺灣歷史博物館)
14:55~15:55 報告4:「韓國博物館所蔵品統合DB構築事業と文化遺産標準管理SYSTEM」
権 赫山 (韓国国立中央博物館 遺物管理部)
16:05~17:00 討論

●2017年1月29日(日)10:00~15:00
【場所】東京国立博物館
【内容】
10:00~10:30 集合、全体説明(後藤)
10:30~11:30 解説「国立博物館所蔵品統合検索システムと東京国立博物館でのデジタル化」
村田良二(東京国立博物館)
11:30~12:15 討論
12:15~15:00 昼食、のち展示調査

1日目はまずは、各国で博物館の資料のデジタル化をどのように行い、利用しているのか、また現在の問題点と今後の方向性について、それぞれに紹介しつつ討論を行いました。

歴博からは総合資料学の概要と経緯を説明するとともに、ワークショップ1に関わって、現在進行している歴史資料の情報化モデルの説明と、システムの実演を行いました。

國立臺灣歷史博物館の謝仕淵先生は、博物館における資料のデジタル化とその運用について重点をおいて紹介していただきました。デジタル技術を展示に利用しながら、観客調査を行いさらに改善していくという、いわば資料に関わる多様な研究を循環させていく方法を確立させようとしています。この試みは、歴博よりはるかに先進的です。

韓国国立中央博物館の権赫山先生は、韓国が国家事業として取り組んでいる、博物館の所蔵の統合データベースと、その管理システムについて紹介していただきました。韓国内の博物館のデータベースがすでに1つのシステムで統合されて、検索機能や資料画像の利用が個々の博物館単位ではなく、国内の博物館全体の資料群を一つとして利用可能だというのは驚きでした。

2日目は、東京国立博物館へ赴き、所蔵資料検索システムとデジタルアーカイブについての解説を受けました。

討論では、文化財の修復方法、動画や音声を含めた所蔵資料の管理システムやデータベース化の状況などに関する質問が出され、台湾・韓国の状況との違いについても話し合われました。昼食をとった後は、常設展の展示状況調査を主に行いました。

      講演の様子

      東京国立博物館での解説