地域連携・教育ユニット研究会 2019年度第3回を開催

 2020年2月21日(金)、地域連携・教育ユニット第3回研究会を開催しました。

  テーマを「博物館を用いた教育活動」とした本研究会は、博物館やその情報資源を用いた教育活動の展望を検討し、博物館を軸とした地域連携・教育のあり方を検討することを目的として企画しました。
 博物館における教育活動としては、館による教育普及や学習支援など様々な取り組みが展開しており、博物館の特性を活かした教育活動への連携が模索されています。国立歴史民俗博物館でも、各地の大学と連携した集中講義の実施などを通し、博物館を活用した教育活動を推進していますが、大学教育に加え、様々な対象への教育的活用を検討することは、本ユニットの目指す研究成果の地域発信にとっても求められる課題です。
 研究会では、三上報告で歴博の総合展示を活用した大学教育の実践事例を紹介し、アクティブ・ラーニングとしての展示活用のあり方を検討しました。特に、総合展示のなかから特定のテーマを設定して展示の特徴や違和感・問題点を抽出して議論をする取り組みを通して、大学生や教員と展示担当者との相互学習の場として博物館の教育的活用の可能性を展望しました。また、阿児報告は、博物館で集積する文化財情報、特にデジタルコンテンツの活用に向けたいくつかの課題を整理し、学習のための情報提供の展望を示しました。その後、報告を踏まえて博物館が教育の場として活用される意義について、展示活用・デジタルコンテンツの活用双方から討論をおこないました。特に、歴博が進めている大学との連携による集中講義実施の考え方も踏まえて課題を整理し、今後の新たな展開に向けた議論をおこないました。

【日時】2020年2月21日(金) 14:00-16:30
【会場】国立歴史民俗博物館
【プログラム】
14:00 開会
14:00~14:15 趣旨説明 天野真志(国立歴史民俗博物館)
14:15~14:45 三上喜孝(国立歴史民俗博物館) 
「博物館展示を活用した「課題解決型学習」の試み ~日韓の大学を対象にした2018、19年度の実践例の紹介~」
14:45~15:15 阿児雄之(東京国立博物館) 
      「学校教育・生涯教育(一般利用)に向けた文化財・文化資源情報の在り方とは」
15:30~16:30 討論
16:30 閉会

三上氏による報告