歴史民俗資料館等専門職員研修会にて、総合資料学の講義を実施

2018年11月14日(水)、歴史民俗資料館等専門職員研修会(歴民研修)にて、総合資料学の講義を実施しました。これは、歴史民俗系博物館に務める職員の皆様に歴博の最新の研究状況を伝えるとともに、総合資料学がひらく新たな可能性について、ご理解をいただき、博物館活動に役立ててもらうことを目指しています。

講義は14日の午前午後を使い、実施されました。午前は、後藤が人文情報学に関わる現状と総合資料学の意義について説明するとともに、博物館資料をそれぞれの館に即した形でデジタル化し、公開するためのポイントと課題について、講義を行いました。

午後は、橋本がコンピュータを活用したクラウド翻刻の実例を実習形式で行いました。複数の受講生達で、実際に「みんなで翻刻」を触ってもらうとともに、くずし字練習アプリ「Kula」の実演を行いました。

そのあと、天野より、歴史資料防災の現状と課題について、人間文化研究機構が進める「歴史文化資料保全NW事業」の説明を行いつつ、地域それぞれの事情に応じた、歴史資料を災害から守る方法について、講義を行いました。

この歴民研修は、地域の様々な博物館・資料館の方に受講をいただいております。その中で、デジタル化の現状・最新事例、そして地域資料の保全について学び、総合資料学が持つ、地域の資料を保全し、地域に向けて活用するという目的について、説明をする機会をいただけました。現在は、大学を中心に事業活動を進めていますが、歴史民俗系博物館協議会をはじめ、博物館との連携という、このプロジェクトにとって重要な機能を、このような研修を通じてさらに進めてまいります。

日時:平成30年11月14日(水) 9:00-17:10
会場:国立歴史民俗博物館

【プログラム】
9:00-12:10 「博物館を取り巻くデジタル化の現状」(後藤)
1. 博物館におけるデータベースの現状
2. 博物館におけるWeb上での電子化の課題とはどのようなものか~著作権と所蔵、実務~
3. 大型デジタルアーカイブの現状
4. 実務的に博物館のWeb展開はどこまで可能なのか

13:20-14:50 「市民参加型の史料研究に向けて」(橋本)
  「みんなで翻刻」の実習を中心に

15:10-17:10 「地域資料防災の考え方」(天野)
   歴史文化資料保全NWと地域資料防災
   課題を踏まえたグループ討議

講義の様子2(後藤)
講義の様子3(天野)