2017年度のメタ資料学研究センター

すこし遅くなってしまいましたが、2017年度のメタ資料学研究センターの活動概要についておしらせします。

センターには4月に橋本雄太助教、7月に天野真志特任准教授を新規に迎え、教授2名(林部センター長・三上)、准教授3名(小倉・内田・後藤)、助教1名(橋本)、特任准教授1名(天野)、特任助教1名(渋谷)の計8名体制になりました。これにより、とくに人文情報ユニットと、地域連携ユニットが強化され、より強力に連携しつつ研究を進めていくことが可能になりました。詳細はニューズレター3号をご覧ください。

大学との連携事業は、新規に歴博として協定を結んだ弘前大学東北大学・山形大学・鳴門教育大学・長崎大学新聞記事)、そして昨年度協定を実施した4大学の計9大学とともに組織的な研究を進めています。それぞれの大学ともに歴史資料情報の共有化や地域連携、授業などの共同実施を行い、総合資料学の推進をはかっています。とりわけ、3月には長崎大学にて全体集会を実施することができ、九州の各大学のみなさまからご発表をいただくことで、大学との連携成果を出すこともできました。会場をお引き受けいただいた長崎大学には厚く御礼申し上げます。

2018年3月には、『歴史研究と<総合資料学>』を上梓し、特に歴史研究とのかかわりで様々な資料を分析する視点に関して論文を複数掲載しました。人文情報学に関しては、後藤が現在の日本における人文情報学の概要を記し、その中に総合資料学がどのように位置づくのかの論考を掲載しました。

これ以外にも、2017年9月にはiPresとの共催による国際パネルセッション、11月にはデイビッド・アンダーソン氏をお招きした国際研究集会、12月には情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会のシンポジウムとの共催で「歴史研究と人文研究のためのツールを学ぶ」というチュートリアルを実施するなどのイベントを行うとともに、10回の共同研究会を実施しました。

2018年度は、いよいよ総合資料学の情報基盤システムの本公開となり、現在、最終的な調整を行っています。また、長崎大学との大学院の授業を実施するなど、教育への貢献と学構築のためのコミュニティ形成、国際的な研究の展開などを引き続き行っていきます。みなさまのご協力をいただければ幸いです。

(文責・メタ資料学研究センター・副センター長・後藤真)