2018年6月16日 国際シンポジウム「アート・歴史分野における国際的な標準語彙(ボキャブラリ)の活用――Getty Vocabulary Programの活動と日本」を開催

2018年6月16日(土)に、国際シンポジウム「アート・歴史分野における国際的な標準語彙(ボキャブラリ)の活用――Getty Vocabulary Programの活動と日本」を開催しました。

文化財等標準辞書プロジェクト「Getty Vocabulary」の提供する世界最大規模の術語データベースは、総合資料学システムの肝であるLinked Data の活用にあたり重要です。しかし、語彙データの日本語対応は遅れている状況にあります。

総合資料学では、収録データの検討を開始するなど実験的な動きを開始していますが、歴博で担える語彙が全てではないため、これらに総合的に対応するために日本チームの結成が必要となってきています。

本研究集会では、日本アート・ドキュメンテーション学会と共催することで、特に手薄な美術・工芸の観点を補完しつつ、日本の関連する機関等に参加を呼びかけ、日本の課題を検討するとともに、米国ゲッティ研究所(Getty Research Institute)の担当者、また語彙データ整備で先行している台湾の関係者を招聘し、議論を行いました。その結果、Getty Vocabularyへの日本からの貢献にあたっては、Getty Trustとのやり取りを日本側で集約するための担当者グループを結成し、このグループの活動を通じて語彙データの提供を進めていく、という方針について多数の同意を得ることができました。

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国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター国際研究集会
アートドキュメンテーション学会(JADS)年次大会関連企画
国際シンポジウム
「アート・歴史分野における国際的な標準語彙(ボキャブラリ)の活用――Getty Vocabulary Programの活動と日本」

日時:2018年6月16日(土)13:00-17:15
場所:国立歴史民俗博物館 講堂

プログラム(日英同時通訳)
13:00 開会挨拶 西谷 大(国立歴史民俗博物館副館長)
13:10 趣旨説明 後藤 真(国立歴史民俗博物館)

13:20
講演1:Jonathan Ward(米国ゲティ研究所 Getty Vocabulary Programシニアエディター)
The Getty Vocabularies: Access to Art History through Multilingual Thesauri
ゲティ語彙集:多言語シソーラス(分類語彙)を通じた美術史への接近

講演2:Sophy Chen(台湾 中央研究院歴史語言研究所 助研究員)
Art & Architecture Thesaurus (AAT) Taiwan: Design, Implementation, and Application of an Infrastructure for Multilingual Knowledge Representation and Organization
台湾におけるアートと建築のシソーラスへの取組:情報の多⾔語化と組織化に向けたインフラ基盤の設計から構築・運⽤まで

14:40 休憩

15:00 <話題提供>日本におけるシソーラス・語彙集に関する情報蓄積または情報源について
・ 橘川英規(東京文化財研究所)「日本美術人名情報」
・ 関野 樹(総合地球環境学研究所)「歴史地名情報」
・ 茂原 暢(渋沢栄一記念財団)「企業史分野の事例」
・ 本間 友(慶應義塾大学)「現代美術分野の事例」
・ 嘉村哲郎(東京藝術大学)「Linked Open Dataの事例」

15:50 パネルディスカッション
進行:後藤
登壇:ワード、チェン、橘川、嘉村

17:00 閉会挨拶 前田富士男(アート・ドキュメンテーション学会会長)

主催:国立歴史民俗博物館 メタ資料学研究センター、アート・ドキュメンテーション学会
後援(50音順):記録管理学会、情報処理学会CH研究会、情報知識学会、全国大学史資料協議会、全国美術館会議、デジタルアーカイブ学会、日本アーカイブズ学会、日本デジタル・ヒューマニティーズ学会、日本ミュージアム・マネージメント学会
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西谷副館長の挨拶


趣旨説明(後藤)


講演1(ワード氏)


講演2(チェン氏)


パネルディスカッション(左から後藤、ワード氏、チェン氏、橘川氏、嘉村氏)